【背景】

2009年5月、政府軍と反政府組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)との紛争が終結。翌年1月の選挙で現職大統領が再選を果し、4月の総選挙では大統領所属の与党が過半数を確保し、安定政権が築かれることになりました。以来、爆弾テロやゲリラ的な攻撃も発生しておらず、政府軍・警察によって国内の治安は保たれています。
紛争中に発生した国内避難民の帰還も進んでいます。北部ワウニア県の避難民キャンプに収容された避難民の数は、最大時28万人いましたが、2010年11月末には25,000人まで減少しました。現在、帰還地で必要とされる支援は、住宅復旧や井戸修復・清掃などの緊急支援はもちろん、道路・学校・公民館の修復やコミュニティ再建など多岐にわたっています。しかし、スリランカ政府の国連・NGOに対する管理が大変厳しく、インフラ再建や資材の配布以外は認めていないこともあり、コミュニティ再建のためのワークショップなどは実施が難しい状況にあります。
【プロジェクトの内容】
現在ジェンは、スリランカの平和に貢献することを大目標に掲げ、紛争被災地である北部ワウニア県での帰還民支援事業、東部バティカロア県での帰還民生活再建事業の2つの事業を実施しています。

北部は現在も帰還が続いており、東部はすでに帰還が終了して2~3年経ちます。北部の避難民キャンプから1年以上ぶりに帰還した直後の人々は、まず、屋根や窓、そして家具の一切が剥ぎ取られ、廃墟と化した家から生活を再建し始めなければなりません。また、元々大半の家にひとつはあった井戸は、戦闘によって破壊され長期間放置されたことで、動物の死骸や藻などが発生して汚染されており、とても使える状態ではありません。(写真:避難中に放置され汚れた家庭の井戸)

このような状況に置かれた人々が自立を取り戻す第一歩を踏み出すことを支援するため、ジェンは北部において、シェルターキット(仮設住宅用建材)、補完食糧、衛生キット、農具などを配布し、住民が主体となって行う井戸の修復・清掃などの活動を実施しています。井戸の修復ニーズは大変大きく、2011年は引き続き修復と清掃を実施していきます。そして「井戸改善委員会」を結成し、地域住民の力でこれから帰還する住民の井戸の清掃も行えるよう、自立のための仕組み作りを行います。(写真:修復された井戸を使う受益者)