背景

かつてエチオピアは国土の40%が森林に覆われていたといわれています。しかし、100年ほど前から人口が増加し、それに伴う耕地面積の拡大、建築材料や燃料に使用する木材の伐採が無軌道に行われました。加えて、1975年から17年間続いた内戦、度重なる干ばつの影響などで森林の割合は国土の1%に激減しました。
こうしたエチオピアの状況に対し、一食平和基金は93年、同国ティグレ州にある「ティグレ救援協会(REST)」が行っている植林活動の支援を開始。これまでに約1,240万本以上の苗木が植えられています。
立正佼成会がRESTとのパートナーシップによる支援を実施する主な理由は以下の4点です。
- ◆サムレ・シャハルティ郡のプロジェクト地区の多くの丘陵地の斜面はいまだに不毛の地であり、荒廃した土地を回復させるためには広範囲な植林活動を継続する必要がある
- ◆囲い地においては植林を豊かにする必要がある
- ◆過去の植林地で生育が悪いところは、再び植林を行う必要がある
- ◆多くの遠隔地の村では、生活に必要な多目的材木の不足を確実に最小限に留めるため、更なる援助が必要となっている
これらの状況を受け、本事業は次のことを目的としています。
- 1.各々の家庭が木の植林を請け負い、燃料のための薪(たきぎ)や建設資材としての木材を自給自足することができる
- 2.固有の木や外来種の木の両方で取れる果実を家庭で食する分だけ摘み取る
- 3.豪雨時の土壌流出による土地劣化の連鎖を失くすことへの努力に貢献する
- 4.土地と植皮の湿気不足から高い危険レベルに置かれている野生動物が生存しやすい生態環境を促進する
プロジェクトの内容
RESTでは、環境修復と農業開発、農村部への水の供給、保健衛生、基礎教育などのプロジェクトを展開しています。中でも一番大きな部署が環境修復と農業開発を行っているERAD(Environmental Rehabilitation and Agricultural Development)です。
ERADでは1993年から立正佼成会の皆さんと一緒に、植林活動を行うようになりました。頂いた基金を使って5カ所の苗床(約3.5ha)で植林用の苗木(ユーカリタス、アカシヤ、ドドーニャ、チャイナスモレなど)を育てています。苗木はタルマイトというアカアリの一種の害虫が大敵なので、苗床の土を清潔に保つ努力が必要です。
苗床は4~5つの村で1カ所の苗床が割り当てられています。苗木は直径5cm高さ15cmほどの薄手のビニール製のポットで約30cmにまで成長させます。それを村人が村単位や個人で植えていきます。植える時は、山の斜面などに約50cm深さ20cmぐらいの穴に植えて土をかけ、さらに周囲に雨季の大規模なスコールなどの降雨でも流されないように土留めを作ります(鉄砲水のように降った雨が崖の斜面を流れ落ちるため)。植林は1本1本手作業で行われます。
その後は、植林した苗木が家畜や野生の動物に食べられないように交替で見回りなどを行うなど村として苗木を守る活動をしています。それでも、成長する数は土壌の良いところで水もあり、行き届いた手入れをして70%、悪条件下では20%ほどしか残らないのが現実です。