森林保全・持続的農業プロジェクト
これまでの成果
2011.9.3記載
◆稲作技術改善(SRI:幼苗一本植え)
2010年度8村10名がSRIを実践しましたが、全ての実施者が手応えを感じ、来年の再度実施を希望しています。単位収量が良くない実践者もいましたが、彼らは収量の悪い田をSRIに充てており、その前提の上で「よく獲れた」と認識しています。カニの食害にあった農家も存在しましたが、経験交流で状態の良いSRI田を見たことから、田を変えての再実施を検討しています。
また、村で手に入る資材を使っての堆肥/液肥作り方を指導し、化学肥料に頼らずとも収穫を増やすことが可能であることを説明しました。特に雨水による栄養流入の期待できない乾季では、化学肥料に頼りがちですが、乾季作SRIを実施した5家族全てが、化学肥料投入量の大幅減を実現しました。

◆米銀行
これまでに米銀行を設置した5村では、米不足の家族の8割以上が利用しました。2010年度は、米返却後に元本割れした村はありませんでした。さらに新規3村での実施に向けて準備を進めました。(写真:米銀行から借りたお米を返却する村人)
◆養魚研修
生育状況にはバラつきもあるものの、概ね順調なモデル農家が多いです。現在まで調査した37家族では、全家族が自家消費し、また16家族が4キロ~30キロ販売しました。
◆家畜飼育研修/ワクチン投与
2010年度は、草の根獣医研修を6村で実施し、研修への参加者は合計18名でした。この草根の獣医を中心に、村内でのワクチン投与が各村で行われました。
◆果樹/家庭菜園
サンプルとして調査した7家族では、4家族が堆肥作りを実践、1家族が液肥作りも実践しました。また、4家族が野菜を販売し、最大40万キップ(約4000円)を売り上げました。

◆水環境の整備
対象となった村での修理可能な井戸は2010年度で全て修理済みです。これら掘削と修理を総合すると、ほとんどの村で世帯数に対して充分な清潔な水へのアクセスが達成されました。持続発展性を確保するための指標としての修理基金の徴収状況も、ほとんどの村で問題なく進められています。(写真:村人が自らで井戸を修理できることを目的とした井戸修理研修)
◆中間レビュー
郡森林局、県森林局の協力の元、計画通りに中間レビューを行い、現活動の有効性ならびに改善が必要な点を確認することができました。
支援を受けた人の声
氏名:バイパン(アサポン郡ナーケー村、44歳)

農業を営むバイパンさんは44歳で、アサポン郡のナーケー村で生活をしています。この世帯は、農業生産の重要さを理解しています。大切なのは、農業生産によって、徐々に生計を改善できるということです。(写真:養魚活動のサンプル農家となったバイパンさん一家)
かつてバイパンさんは、ほとんど手をかけずに自然に任せた養魚を行っていました。郡の村落開発員とJVCラオスのスタッフが彼の暮らす村に来て養魚の支援を始めることを知り、彼は養魚活動を行うサンプル農家に立候補しました。そして、養魚の技術研修に参加し適切な稚魚の育て方を教わり、またJVCから稚魚を借り入れました。16のビニール袋に入った約1, 500匹の稚魚を外周380mの池で育て始めました。
研修に参加した後、彼は病気を予防するために石灰で池の洗浄を行い、また池の周りに柵を設置しました。稚魚を得ると、それらを稚魚育成ネットの中に囲み込み、1日に最低2回は餌を与えました。餌が残っている場合は、通常より少なく餌を与えましたし、餌がじゅうぶんでないと思われる場合は、餌を多めに与えました。
バイパンさんが言うには、「魚を増やす方法はそんなに難しいことではありません。なぜなら資金の投入が不要だからです。シロアリと糠さえ餌として与えておいて、あとは定期的に動物の糞と堆肥を池に入れて置けば、池を緑色に保つことができ、魚は早く育ちます。」とのことです。
同時に、養魚池の持ち主は、市場のニーズに応じていつでも魚を売るなどを行うことができ、魚が2~3匹で1kgに達したならば、その販売によって1kgに付き20,000~25,000キップ(約200~250円)の収入を得られます。今年、バイパンさんは、30kgの魚を売り、750,000キップ(約7500円)を得たそうです。「売った魚以外は、自家消費や、結婚式や精霊に奉げるバーシーの儀式といったお祝いの席に取っておく」と彼は話しています。
彼はJVCから借りた資金をすでに返還し、現在の負債はありません。そして、現在では養魚に関する技術を身につけています。例えば、養魚用の池の準備の仕方や、魚への餌のやり方、動物の糞と木の葉の投入によって池に養分を保つ方法です。さらに、堆肥が魚の餌の原料のひとつとなることを学びました。
彼は「今後、養魚池を広げて、育成する魚を増やしたい」と話しています。