支援プロジェクト


スリランカ北部における減災および防災能力強化支援

2017年4月~2017年9月

裨益者に種を渡す著者(右)

ヴィシュワマドゥはスリランカの北部に位置し、ムライティブ県の中でも特に農業が盛んな地域です。ヴィシュワマドゥ地区には農業のために作られた人口の貯水池があります。しかしながら、年に何カ月かは水へのアクセスと使える水量が限られています。そこで、水不足とそれによる貧困に陥っている農家の生活を底上げするためには、井戸が役立つであろうと判断しました。これまでに、歴史はその成功を物語っています。

一方、ヴィシュワマドゥ地区には2つの農協があり、この農協には多くの農家が参加しています。

他の仕事と違い、農業は天候に左右されるものです。グローバル化が進む中で天候も変化し続けています。そのため、農家は従来通りのやり方による耕作では、期待通りの結果を得ることができなくなっているのです。気象予報士ですら正確に天候を予測することはできません。もちろん農家も予測できません。そこでジェンは“気候変動対応型農業”が必要だと考えました。


気候変動対応型農業のワークショップに参加するヴィシュワマドゥの裨益者

今は、自然災害からの回復力をつけるために、気候変動対応型農業を推進しています。具体的には、気候変動が起きていることを注意喚起し、それにどう対処するか具体的な農業の方法を説明するワークショップを実施したり、干ばつに強い作物の種の配布を行ったりしています。 また、村レベルで災害対策委員会を立ち上げ、政府関係者と協力することでさらに回復力をつけようとしています。

最近では、企業や大規模農家などは、ハイブリット種や遺伝子組み換え作物の作付けを推し進めています。これらの作物は大量の人工肥料や殺虫剤を必要とするため、普通の農家はとてもそんな費用はまかなえません。このような流れの中、多くの農家が他の職業へと転職せざるを得ない事態になっているのです。

この変化の速い世界において、人々はどんな活動でもいつも秒速での結果を求めています。農業でこの秒速の結果を出すには、高額で人工的なそして土壌汚染につながる方法しかありません。その結果、人工的でないオーガニックの堆肥を使っている農家やヴィシュワマドゥの農協は、リーズナブルな価格の商品をマーケットで販売するのに苦労しています。しかし、オーガニック商品の卸売りや仲買、そしてオーガニック作物を生産する農家の成功例もあるので、私たちは農協とオーガニック農家をつなげることで販路拡大を図ることにしました。

事業の中で一番のチャレンジは、農業活動にコミュニティの人々を動員することです。なぜなら前述の通り、農家が別のより安定した職へと転職し、農業をあきらめてしまうからです。フィールドオフィサーとして、私はより持続可能な方法であるオーガニックでの耕作を行うよう勧めています。

最近では、環境保全の考え方が注目されています。すべての人々が環境コストも考えなくてはいけないのです。小規模農家だけではもちろん環境保全を行うことは不可能です。農業に従事している人はわずかですから。しかし、もしすべての人が環境について考えたなら、計り知れない変化をもたらすでしょう。

プロジェクトを進めていくことに、私はとても喜びを感じています。情熱を注いだ分、その期待を裏切らない成果が得られるからです。そしてなにより、貧しい農家の人々に、気候変動対応型農業やオーガニック農業を奨励していきたいからです。

サルマヤリニ・サモサランピライ(フィールドオフィサー:ヴィシュワマドゥ地区担当)

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