支援プロジェクト


東南アジアにおける農村再生プロジェクト

2018年4月1日~2019年3月31日(年間)

【プロジェクト全体の成果】

新規3年間のプロジェクトを開始しました。4月にラオス政府から活動の許可を取得し、これを受けてアサパントン郡とピン郡のそれぞれ5村ずつで、活動に必要となる基礎データを収集する調査を行いました。
下半期にはこの調査結果に基づいて、各活動を開始することができました。

■住民による自然資源の管理
村境の測位

村境の測位

指標生物(魚類)の調査

指標生物(魚類)の調査

住民による自然資源の管理・利用の仕組みをつくる一環として、5村でコミュニティー林を設置することを村人と合意し、内3村ではGPSによる実測を開始しました。住民による河川の利用の記録をとるために、5村で村人による魚の利用状況の調査を開始しました。
また、6村で魚保護地区を設置することを村人と合意し、一部で実測を開始しました。








■住民の自然資源に対する権利意識の向上

住民の自然資源利用の権利に関する法律研修については、5月に県農林局において、2018年版法律普及カレンダーの発表会議を行い、中央および県・郡の行政官やNGO、企業関係者など合計34名の参加を得ることができました。12月にはJVCスタッフおよび県・郡の行政官や村人を対象として、本カレンダーを使った法律研修を実施しました。行政やNGO諸団体が共同で行っている2019年版のカレンダー作成にも携わり、これを活用した法律研修では9村で526名の村人の参加を得ています。この他にも、農林省農林研究所の担当官を招聘して、NGO担当副郡知事や県農林局副局長、郡農林事務所長らを対象としたワークショップを行いました。

■農業技術研修の実施・井戸の整備
パンフレットを使って井戸の修理方法を村人に伝えるJVC山室(写真中央)

パンフレットを使って井戸の修理方法を村人に伝えるJVC山室(写真中央)

井戸の設置場所の検討(ゲンザイ村)

井戸の設置場所の検討(ゲンザイ村)

村人の収入向上を目的とした農業技術研修については、調査に基づいて検討した結果、対象村と活動内容がすべて決まり、キノコ栽培研修などを始めることができました。
衛生的な水の確保を目指す井戸の整備に関する村人への研修も始まっています。










■農業研修センターの建設

2018年度には、地域住民の諸活動の拠点として、両郡で農業研修センターの建設を行いました。10月にはアサパントン郡の農民学校が、19年の1月にはピン郡の農業普及センターの会議スペースが完成し、それぞれ落成式を行いました。





【今後の展望】
村人との話合のようす(アサパントン郡ポンパン村)

村人との話合のようす(アサパントン郡ポンパン村)

18年度に行った村落調査の結果に基づいて、各活動を全面的に展開する重要な1年となります。プロジェクトの活動は多岐にわたりますが、コミュニティー林や魚保護地区の設置などの自然資源の管理・利用に関わる活動を中心に活動を進めていきます。
また、スタッフ研修や、活動成果の普及のためのネットワーク拡充にもあわせて取り組んでいきます。さらに、次期フェーズを見据えた情報の収集は大きな課題で、鋭意取り組んでいきたいと思います。

【スタッフの感想、思い出、希望】
スックサワット(JVC)

スックサワット(JVC)

担当者:スクサワット・スィークンムアン
役職:フィールドオフィサー(主担当:法律・政策)

活動村で法律カレンダーを活用した研修を実施していますが、研修に参加した村人からは「将来、土地の契約などをする際には、今回教えてもらった点をよく注意したい」といった声が寄せられており、今後も法律研修を継続してほしいとの要望を受けています。自然資源の問題に関わる法律は多岐にわたるため、研修の時間も回数もまだ十分ではありません。また、研修に全ての村人が参加しているわけではないため、村全体で自然資源に関する村人の権利や法律の知識を広め、意識を啓発していくことが課題です。
  私自身、法律研修の活動を始めた頃は、研修をどのように進めればよいのか、村人とどのように接すればよいのかがよく分からず、不安でした。この間、経験を積むことによって、ようやく研修の進め方が分かってきました。村人も私のことを法律研修のトレーナーとして認識してくれるようになりました。研修の中で村人がより高い関心をもって、法律に関する深い理解を得られるように、さらなる実践と改善を重ねていきたいと思います。

【受益者の声:喜び、成果、ゆめ等】
ブンニュアン村長

ブンニュアン村長

ブンニュアン・クアンインポーン氏(アサパントン郡ナライコーク村農家、村長 50歳)
支援を得られてとても助かっています。調査の過程では、家庭菜園の候補地や村内の川位置を航空写真で確認して村の姿を見ることができました。
また、鉄道基地の建設については、政府による調査が一度あっただけで状況がよくわからないままでしたが、これについて村内の土地収用予定地の情報を得ることもできました。



テーワラート・サイニャシット村長(ナライドン村)

テーワラート・サイニャシット村長(ナライドン村)

テーワラート・サイニャシット氏(アサパントン郡ナライドン村農家、村長 45歳)
JVCに村への支援をしてもらえて、嬉しく思っています。まだわれわれの村は貧しく、キノコ栽培研修などの活動によって、いくつかの世帯で収入源を増やすことができました。これらを村内で売ることで、収入を得た世帯もあります。
浅井戸については掘削や設備増強を支援していただいていますが、この研修過程を経て、村人たちだけでもう1基掘ろうという話が持ち上がっています。

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