支援プロジェクト


ミャンマー 初等教育の普及

【背景】

経済状況としては、ミャンマーは東南アジアで2番目に大きな国だが、世界の中の最貧国にあげられており、人口の37.5%が貧困ライン以下で生活している。ほとんどの貧困者が地方地域に住み、農業や日雇い労働を生業にしており、乾季には食糧不足に陥る。
食料、栄養事情は、国際機関による支援により、過去6年間で発育不全率が5.9%、消耗症状率が0.9%に減少した。しかし、未だ5歳未満の子どもの3人に1人が慢性的栄養失調のため発育不全(年齢に不釣り合いな低身長)であり、7%が消耗症状(身長に対して低体重)である。平均寿命もASEAN諸国の中で66歳と最も低く、子どもの死亡率(1,000人中50人)も最も高い国の一つである。6~23か月の子どもで、食事エネルギーの最低必要量を摂取できているのは16%のみにとどまっている。

教育事情については、都市部と地方における就学率の地域差がみられる。小学校の入学率は83%であるが、そのうち中等学校に進学するのは半数以下になる。また女子児童の退学率は高い。 政治的には、2016年末以降、ミャンマーのラカイン州北部で激しい衝突が発生し、多くのロヒンギャ族が隣国バングラデシュやミャンマー国内の周辺地域に避難している。またミャンマーは自然災害に被害を受けやすい国のトップ3に入っており、サイクロン後の洪水や地滑りによる影響が大きい。
こうした状況の中、WFPは栄養価の高い学校給食提供により、児童の栄養状態改善と就学率向上を目指している。
給食提供の他、微分栄養素の摂取および寄生虫駆除薬の投与、学校菜園プログラムなどにより、子どもたちの健全な発育を支援する。慢性的な栄養不足からくる身体的・知的発達障害防止にも役立つ。出席率(特に女子児童)が安定し、自立した成人の育成につながるため、当プログラムは国力の強化に繋がる事業である。
学校給食支援における関連政府機関の能力強化(キャパシティ・ビルディング)プログラムにこれまで以上に注力している。特に①教育省が国全体の給食支援事業の中心となるように支援、②初等教育において男女の格差が発生しないようにすること、を目標としている。現在は教育省には支援対象学校の選定のサポート等を行っているが、徐々に役割や責任の比重を増やしていく。また、政策策定、サプライチェーン・マネジメントなども指導する。

【プロジェクトの内容】
学校給食支援

【内容】 未就学児と小学校の児童へ、毎日75gの栄養強化ビスケットを支給する

【目標】 ①中・長期目標
・就学率、出席率の向上、及び、中退率の減少
・短期的な飢餓の解消、及び微量栄養素不足の解消
②短期目標
・特に教育省が全国において効率的な学校給食を展開できるようにすること。
・特に貧困度合いの高い食糧不安にある遠隔地域の子どもたち、特に女子児童の教育就学率および出席率が安定すること。
・男女間の教育格差を発生させないようにすること。
・空腹を満たし勉強に集中させ、学力の向上に寄与すること。
・学校菜園プログラムによる青菜摂取による栄養バランスの向上、子どもおよび両親(コミュニティ全体)の農業技術および栄養知識の向上、現金収入に寄与。

【支援対象者】未就学児~小学生の児童 430,000人(就学率の低い女児への支援を多くする)

【支援対象者の設定基準】 1. 食糧不安調査(Food Insecurity)
・WFPによる食糧への脆弱度地域調査による選定(VAM: Vulnerability Analysis and Mapping)
2. アクセス調査(Accessibility)
・集落から学校への通学距離および平均通学所要時間
・地形学的な見解による州選定
・野生動物による被害危険性の度合いおよびその頻度
・悪天候による極端な食糧難に陥り易い危険地域
・集落から最も近い幹線道路への徒歩所要時間
・掘っ立て小屋から通学する生徒数
3. 教育効果(Efficiency)
・過去数年間の就学率データの評価(特に女子児童)
・過去数年間の中退率データの評価(特に女子児童)
・男女合わせた全体的な出席率
4. 初等教育の普及率(Educational Coverage)
・女子児童の就学率
・初等教育(6歳から12歳まで)の就学率

【スケジュール】

実施期間:1月~12月
食料配給スケジュール




学期対象の学校食糧
購入時期
学校への
配給日
使用期間
1学期 全学校 10月~1月 1月~2月 2月~ 6月
2学期 オフロード(車で行けない)学校 2月~4月 4月~5月 7月~9月
オンロード(車で行ける)学校 3月~5月 6月~7月 7月~9月
3学期 全学校 6月~8月 9月~10月 10月~12月
学校給食支援

【2018年の学校給食支援実績】




学校給食2月3月 4月
目標人数 234,482人 15,384人 15,384人
実施人数 180,641人 13,707人 13,383人
達成率 77% 89% 87%
【2018年の学校給食実施地域WFP各オフィス位置】
2018年の学校給食実施地域WFP各オフィス位置

2018年の学校給食実施地域WFP各オフィス位置



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