支援プロジェクト


ミャンマー 東バゴー地域における読書推進活動

2018年1月1日~12月31日(年間)

【プロジェクト全体の成果】

公共図書館職員より学校にて読み聞かせを行っている様子(使用絵本:「おおきなかぶ」福音館書店)
公共図書館職員より学校にて読み聞かせを行っている様子(使用絵本:「おおきなかぶ」福音館書店)

本活動を通じて、これまで子ども用の絵本や図書コーナーがなかったミャンマーの東バゴー地域で、移動図書館活を開始しました。子どもたちは初めて絵本の世界に触れることができました(そちらの様子は「ミャンマー『はじめて』の物語」として、こちらでもご覧いただけます。

ミャンマー『はじめて』の物語【動画】

移動図書館用三輪オートバイ
移動図書館用三輪オートバイ

全8公共図書館に移動図書館用三輪オートバイを供与、これまで読み聞かせなどしたことのない図書館員の人々に一から研修を行いました。研修を経た図書館員の皆さんは、全部で120の公立の学校を回りました。


図書研修にて読み聞かせの練習を行う様子
図書研修にて読み聞かせの練習を行う様子

移動図書館活動の際には、まず公共図書館員が学校の子どもたちに向けて読み聞かせをします。その後、「自由読書」の時間が設けられ、子どもたちは自由に読書を楽しみます。そのあと約1か月のあいだ、約100冊の本が入った図書箱が学校に貸し出され、学校側は自由にその箱の中身を使用することができます。

学校の先生からは、「移動図書館活動を通じて、子どもたちが読書を楽しみ、読書習慣も身に着いた」などの声が多く寄せられています。また「今後もこの活動を続けてほしい」、「ぜひ他の地域でも実施してほしい」という希望が上がっています。また公共図書館と公立学校の間での協力体制も見られ、今後この地域での更なる読書推進事業の発展が期待されます。
具体的な活動成果としては、下記の通りです。

【活動成果1.公共図書館から公立学校に移動図書館活動が定期的に行われている。】

まず、移動図書館活動を実施する公立学校を、各公共図書館につき15校選定しました。その後、三輪オートバイを購入し、本棚を制作、移動図書館用に組立て、絵本の調達、貸出し用箱の調達、図書リストの作成、壁掛け図書入れバックの製作を行いました。
学校の新学期にあたる6月2週目より本格的に移動図書館活動を開始し、各学校を巡回しました。各図書館より毎月平均5校に行き、読み聞かせプログラム後も、その学校に約一ヶ月間の図書の貸出しサービスを行いました。

活動を開始した後は、当会の職員が毎月、活動実施状況の確認を行いました。また、活動状況の確認や利用者データの確認、課題や改善に向けた話し合いの場も設けました。図書館員の読み聞かせ技術の確認もあわせて行い、必要に応じて当会職員よりフィードバックを行いました。

【活動成果2.公共図書館員の図書館活動に関する知識・技能が育成されている。】

移動図書館プログラムにて、自由読書時間に自分の好きな絵本を読む子どもたちの様子
移動図書館プログラムにて、自由読書時間に自分の好きな絵本を読む子どもたちの様子

これまで子どもたちのための図書サービスを実施したことない公共図書館員のために、研修を実施しました。主な研修内容は、公共図書館の役割、児童サービス、図書館員の仕事、児童サービスに重要な要素となるおはなしや読み聞かせについての講義、絵本を使った読み聞かせの技術の練習等です。5月に実施したこの研修には、23名が参加しました。
また、対象公共図書館員らと共に四半期会議を4月に行い、活動詳細やスケジュールの説明、配架する本の翻訳シールの貼り方の説明等を行いました。

【活動成果3.学校教員の図書館活動に関する知識・技能が育成されている。】

研修を終えた公共図書館員と当会職員
研修を終えた公共図書館員と当会職員

読み聞かせを中心とした児童向けの図書活動を実施したことがないのは、公共図書館員だけではありません。移動図書館活動先の公立学校の先生たちも同様です。彼らが図書箱の貸出期間中に有益に本を使用できるように、公共図書館員が先生たちに指導を行いました。



公共図書館員より学校の先生に指導をしている様子
公共図書館員より学校の先生に指導をしている様子

読み聞かせの重要性やその方法を、その場での練習を含め、理論と実践を組み合わせた内容としました。これらの指導と日々の実践により、学校の先生たちも児童図書を活用した図書活動に関する理解を深め、読み聞かせの技術も日増しに高まっています。


【活動成果4.良質な本が提供されている。】

日本から届いた絵本を事業地に届ける様子
日本から届いた絵本を事業地に届ける様子

日本から50冊(10タイトル)、ヤンゴンから100冊(20タイトル)、タイから100冊(20タイトル)の図書を購入し、各図書館に提供しました。その他、自己資金にて281冊の図書を寄贈しました。日本からの絵本全400冊分については、立正佼成会の皆様にビルマ語のシール貼りにご協力いただきました。




【今後の展望】

2年次は、対象地域を拡大し、より多くの子どもたちが絵本に触れることができるように活動を行います。また、公共図書館、公立学校の先生たち、郡関係機関などの関係者との連携を深め、効率的で効果的な活動の実施に努めます。
2018年度は初年度であったため、これまで児童サービスを見たことがない、実施したことのない公共図書館員や公立学校の先生たちとのイメージの共有に時間を要しました。この経験も踏まえ、2年次の新規の対象関係者には、より具体的にこの活動が目指しているものを共有します。また、初年度の経験に基づき、公共図書館員や公立学校の先生たちへのフォローアップを行います。また当会のミャンマー人スタッフからも、より適切な指導ができるように、彼らの育成にも引き続き尽力します。



【スタッフの感想、思い出、希望】

Ko Yan Naing [コーヤンナイ](コーディネーター)

Ko Yan Naing(コーヤンナイ)さん

Ko Yan Naing(コーヤンナイ)さん

「まず初めに、ミャンマーの子どもたちのことを考えて下さる皆様に深く感謝申し上げます。移動図書館の活動により、農村地域などに住む子どもたちにとってまだ見たことがない絵本を読む機会を持てました。彼らは絵本を通してミャンマ―のことに限らず、世界中の文化や体験を学ぶ機会を得られました。この活動のおかげで、子どもたちは絵本を読むことが好きになり、教員や地域の人々もとても喜んでいます。私自身も移動図書館活動に従事することが出来、幸せです。
活動対象地域であるバゴー県のほとんどは洪水被害が多い地域です。そのため、雨季は苦労しました。いくつかの対象学校は洪水の被害を受け、閉校となりました。そのため、計画通りに移動図書館活動が実施出来ないときがありました。また、一つの図書館では洪水により完全に図書箱がダメージを受けました。学校からの正しいデータ集計にも苦労しました。公共図書館に何度も正しい記入方法を伝えながら、学校のフォローをしてもらいました。最終的に、徐々に学校側も慣れ状況は改善しました。

図書館活動はミャンマーにとって、必要とされています。私は、全ての子どもが良質な児童図書にアクセス出来る様になることが夢です。将来、この活動が更に広がりミャンマーの国全体に機会が行き届くことを願っています。より良い社会や国になる様、子どもたちのために皆で手を取り合っていきましょう。最後に、ミャンマーの子どもたちを支援して下さる皆様に改めて感謝致します。」



【受益者の声:喜び、成果、ゆめ等】

Hsu Sandi Min(スーサンデーミン)

Hsu Sandi Min(スーサンデーミン)さん

Hsu Sandi Min(スーサンデーミン)さん

「私は物語を読むのが好きです。貸出しサービス期間中、私は4タイトルの物語を読みました。でも、まだたくさんの物語をこれから読むことができます。友達も私もお互いに物語の内容について話したりしています。先生は私たちに読み聞かせをしてくれました。私も先生と同じように、弟や妹に読み聞かせを行いました。移動図書館や図書貸出しサービスで面白い絵本をたくさん読むことができてとても嬉しいです。次もまた絵本を読みたいです。」



Daw Nyo Pyar (ドーニョーピャアー)

Daw Nyo Pyar (ドーニョーピャアー)さん

Daw Nyo Pyar (ドーニョーピャアー)さん

「移動図書館活動の対象となった学校は、皆どこも暖かく受け入れてくれ、次回の図書貸出しサービス含む移動図書館サービスをいつもとても楽しみにしています。私はこの様な、子どもたちが読書週間を身につけることに貢献出来る仕事が出来て幸せです。今後も、更に多くの図書が手に入れば、学校の子どもたちは更に喜びます。」



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