支援プロジェクト


日本国内難民支援プロジェクト

2017年4月~2018年3月

【プロジェクト全体の成果】
メディアの難民関連記事は減少傾向にあるものの、当会が開催するイベントへの応募状況や当会ウェブサイトへのアクセス数から見る限り、難民問題への市民からの関心は高い状態が続いており、JARからの情報発信に努めることで関心ある市民の層を広げることができました。

難民支援協会ウェブサイトより

難民支援協会ウェブサイトより

より深く現状の課題を伝え理解を促すために、前年に引き続き取り組んだウェブサイトのリニューアルでは、内容の充実と読みやすさに注力した結果、改訂前と比べて月間平均閲覧回数を3,300回から6,600回へと倍に増やすことができました。また難民を含む多様な人々と共生する社会を認識することを目的として、日本国内の移民文化・移民事情を伝えるウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』を立ち上げ、3月末までに6本の記事を発信、メディアでも紹介されました。ウェブサイトの「活動レポート」では、特に社会的な関心の高いトピックについて特集企画を組み、今年度は6月に日本の難民認定手続きの厳しさについて、11月には難民申請者の就労事情について報告しました。

Meal for Refugees ウェブサイトより

Meal for Refugees ウェブサイトより

人材育成においては、学生との取り組み、Meal for Refugees(M4R)の導入大学が引き続き増え、3校で新規導入が実現、累計35校となり、寄付金は100万円を突破しました。また、東京女子大学でM4Rを導入し、M4R事務局代表として他大学での導入にも尽力した酒師麻里さんがその活動を評価され、同大学の学長賞を受賞しました。

2018年1月に法務省が難民認定制度の運用見直しを行い、難民申請者の就労や在留を制限する措置を取ることが明らかになった際には、規制の対象となる人の中にも保護を受けるべき人が存在することを指摘し、運用見直しが難民申請者の生存を脅かすことになるという強い危惧をすみやかにコメントとして発信しました。また、国際的な潮流として、従来の難民条約に基づいた受入れ枠組みに加えて、さまざまな形での受け入れ(complementary forms of admission)が進んでいることを踏まえて、シリア難民留学生受け入れ事業を開始し、メディアから多くの問い合わせを受けました。2018年12月に国連総会で採択が予定されている、移民・難民に関する「グローバル・コンパクト(包括協約)」に関して、協議の場に加わると共にNGOやUNHCRと協力して外務省との連携を開始しました。

【今後の展望】
難民問題に関する報道は少ない状況が続いている一方、法務省の見解を一方的に報じる「偽装難民」報道やヨーロッパの選挙における難民問題の争点化を過剰に取り上げる報道もたびたび見られます。政治家による「武装難民」発言など一般の誤解につながる出来事も生じている中、外部の変化に対応する迅速な発信を行うと共に、難民に関する認知啓発の発信を続けていきます。国際的なグローバル・コンパクト採択に向けた動きの中でも、とくに日本への受け入れに関する部分にハイライトして、日本の中で議論の場を広げ、いかに日本の難民受け入れのあるべき姿を提示し普及していかれるかが直近の課題です。

難民への関心や興味を持ってもらうすそ野を広げていくことに引き続き注力し、発信素材を充実(パンフレット、ウェブサイト情報)させると共に、オンライン広告も含めたSNS活用を通じて認知啓発を行います。また、難民の社会統合に向け、シリア難民留学生受け入れ事業、難民グローバル・コンパクトへの関与など、新たな受け入れの形についても発信につなげていく予定です。

【スタッフの感想】
伏見 和子(広報部スタッフ) 
継続的なご支援ありがとうございます。
難民支援協会の広報部スタッフとして勤務し6年になりますが、日本にいる難民が置かれた状況の厳しさは変わらず、事務所に寄せられる相談件数は年々増えています。しかし平和が当たり前のものになっている日本で、難民への関心や理解を広げていくことは難しく、メディアやイベントなど様々な角度から認知啓発を進め、難民問題に理解のある人材を育成することで、社会に難民受入れの土壌をつくっていきたいと思っています。
イベントには様々なバックグラウンドの方が集まりますが、意見交換や質疑の時間はいつも熱気に包まれます。日本に逃れてきた難民を支えるという、日本社会に暮らす私たちだからこそできる活動を広げていくため、これからも尽力してまいります。

【受益者の声・2名】
樋上 祐未(JAR広報部インターン)

「難民支援のために自身の知識と技術を役立てたい」。
IT企業のWebマーケティング担当として6年間社会人経験を積んだのちフランスへ留学、現地で難民の方々が困難な状況ながらも前を向いて逞しく生きる姿に感銘を受け、これまでの経験を難民支援に役立てたいとJARインターンに参加しました。JARの活動では、ウェブページの構成や執筆、寄付募集チラシのデザイン作成等を行っています。寄付行動に直接繋がる作業は大きな責任を伴いますが、同時に使命感があり、やりがいを感じます。今後も丁寧な言葉や図案を取り入れながら、社会を変える一歩の後押しとなる表現を心がけ、難民問題について人々に広く伝えていきます。

女性・21歳(大学生・M4R事務局)
1年生の頃日本に逃れてくる難民の存在を知り、なにか自分が出来ることはないかと考えていた時にM4Rを知りました。
早速活動を始めて、南山大学で東海地方初の実施をしました。現在は事務局の一員としてM4Rに携わっています。
M4Rを実施していると、難民が日本にいることを初めて知ったという方が多く、M4Rを実施する意義を感じています。今後も継続的にM4Rを全国で実施し、難民のことを少しでも多くの方に知ってもらいたいです。

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